衆生身心御書

別名「随自意御書」ともいう。
◇爾前経と法華経を対比して、爾前経は随他意の方便の教えであり、法華経は随自意の実経であることを示し、
仏の心を説いた法華経を信じてこそ衆生も仏になれることを教えられている。

◇三国四師における法華経弘通の歴史を述べ、特に、伝教大師によって破られた経過を示し,それらの邪義が経本を
本(もと)としない我見に過ぎないと指摘されている。

法華経法師品の【巳・今・当】の文をあげて、この文は仏でも破ることはできないのに、人々が無知ゆえにこの
経文を強く立てて正義を訴える人が出た時にその人を迫害すると、諸天の厳しい処罰のために国が滅びることになり、
逆に供養する人の功徳は大きいことを示されている。

よき人にむつぶもの・なにとなけれども心も・ふれまひも・言も・なをしく・なるなり P1590

通解
良き人と親しむ者は、自然のうちに、心も振る舞いも言葉遣いも正されてくる。